屋根リフォーム
フジ住建では、カバー工法の下葺き材を粘着性のある肉厚のブチル系シートを使用します。
おおよその工事店ではこのようなグレードのものは使用せず、ゴムアスファルトルーフィングなどの改質アスファルトフェルトを使用しています。
ゴムアスなどの粘着性の無いルーフィングでは、下地が合板のような平滑な下地には親和性は高いのですが、屋根材のように段差が大きい場合は、シートと屋根材の間に空隙が多く、破れやシワの原因にもなります。
粘着性のルーフィングは、下地に密着をするため、破れの原因になる空隙が発生しにくいです。
このようにリフォームの特性を理解し材を選定することが重要になります。
雨樋は容量の大きいものに交換しました。
雨樋は芯材にアイアンを使用しておりますので昨今の雹などの災害にも強いものになります。
雨漏りの心配の無いきれいな屋根になりました。
築90年の古い農家住宅の黒瓦です。
昔ながらの土葺きという工法の屋根で、
下葺きにあたる瓦下は、杉皮下地になっており、
杉皮のストロー効果で雨漏りを防ぐ昔ながらの 古民家等にある工法です。
今回は一部の瓦がずれてしまい雨漏りが起こっている状況でした。
長い期間雨が浸透してしまっていたため、垂木という野地板を支える部材も腐ってしまい折れていました。
垂木はモーメントという力が加わるため、桁芯から2.5Dの余長をみて施工をします。
雨漏り部分の周りの古瓦を撤去し、
垂木も補修を行い下地合板の重ね張りで補強をしたのち改質ゴムアスファルトルーフィング(強度の高い防水紙)で下葺きを行いました。
部分補修ということで既存の瓦を葺きなおす方法で仕上げることにしました。
写真は大棟部です。
大棟とは、、屋根の稜線に熨斗瓦や雁振瓦というものを積層するものです。
日本古民家などでは、高く棟積みをすることが富の象徴でもありました。
うだつもその一種です。
(うだつが上がらないと云う表現がありますね)
反面、崩れやすく、昨今の震災では多くの被害を出しました。
被害が出た多くの屋根は、旧工法によるものでした。
耐震施工がなされておらず、脆弱な作りとなっているのです。
現在では、耐震工法をスタンダードとする潮流で、殆どの瓦屋さんが耐震工法を採用しております。
また、瓦屋根工事ガイドラインに準拠した、安心安全な工事を業界では進めております。
瓦屋根工事技士という資格もその一つです。
瓦屋根工事技士、全瓦連に加盟している工事店に依頼されることをお勧めいたします。
話が逸れましたが、写真は箱棟といい、中を空洞にしたものに、棟の装飾を施す工法になります。
高い棟でも軽量で高耐震性のものをご提案させて頂いております。
日本の瓦文化ですが、古くは1400年前の飛鳥時代の建物にも使われております。
聖徳太子の時代ですね。
今も奈良の飛鳥寺には1400年前の瓦が現存します。
凄いことです。
昨今の瓦事情は厳しいです、、、震災に対してのネガティブイメージが強く、瓦離れも散見されます。
地震に対しては屋根の軽量化は理に適っているのです。
でも、、日本の建築・木造文化は、長い歴史の中で洗練され、一つ一つには科学的な裏付けが有ります。
現代の高性能住宅も、温熱環境や空気環境・断熱性能・耐震性能など先端を行くものですが、長い歴史の中で育まれたものには及ばないようにも思います。
先達の素晴らしい住文化を、継承し伝えていく義務が、私たちには有ります。
写真の瓦の形は和形といいます。
これは様々な呼び名が有ります。和形・黒特一・和イブシ・J形・53A、、、などです。
昔は丸瓦と平瓦を組み合わせた本葺瓦と呼ばれるものでしたが、双方を一体型にし、流通が始まったのが江戸時代と言われています。
和瓦の形ですが、向って左側を袖、袖から中央下に向って湾曲した部分を谷といいます。
雨水は連続した谷を流溝として流れていきます。
いぶし瓦の素材は、、なんと粘土のみなんです!
粘土を練り、成形・乾燥・焼成・薫化のプロセスを経て完成します。
まさに自然素材ですね。環境にやさしいんです。
と或る著名建築家が、規則的に連続した瓦を「律に倣った普遍性の象徴」と表現したそうな。
芸術は分かりませんが、一様に並んだ瓦は、単純にきれいですね!